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2013年1月31日 (木)

心理学研究法 自由記述

心理学では調査を行うとき、自由記述法という回答方法が用いられます。
自由記述法とは名前の通りで、被験者に自由に記述してもらいます。大抵は最近面白かったことについて自由に書いてください、とか、心理学の授業を受けてみて一番良かったと思うことを書いてください、などと教示を書いておきます。

自由記述のメリット
自由記述のメリットは、多肢選択式のものとは違い、思ってもみない回答が得られるといことです。
そのため、仮説を立てる際に役にたちます。
多肢選択式のものは、あらかじめ用意した項目に丸をつけてもらったりするので、心理学研究者の設定した項目への回答しか得られません。

自由記述のデメリット
自由記述のデメリットは、何といっても分析が難しいことです。
多種多様な自由記述をどのように要約したり、解釈するかが難しく、いかに研究者の主観を排除できるかが議論の的となります。

自由記述の分析方法
自由記述の分析には、どんな方法が使われるか見ていきましょう。
○KJ法
KJ法は自由記述法の分析で真っ先に思い浮かぶ分析方法です。
KJ法とは、アイデアを出していって、そのアイデアをカードに書き出していきます。
作ったカードは、同じような意味のカードと一緒にまとめておきます。するとカードのグループができる訳ですが、次はグループの名前をつけていきます。さらにグループ同士をまとめて名前をつけます。

こうして、無数のアイデアを分類するのがKJ法です。

 

心理学統計 χ2検定

χ2検定とは
χ2検定とは質的データの有意差を検定する際に用いられる検定法です。

方法
1.まず、観察度数と期待度数といものの差をだします。例えば、サイコロを6回ふれば、それぞれの目は1回ずつでることが期待できますよね。しかし実際観察されたのは、1が2回、2が0回、みたいにバラバラです。つまり期待どうりに行かないといことです。でも期待と観察の差があまりに大きかったらイカサマサイコロかもと疑います。そこでその差は偶然なのかイカサマなのかが知りたいわけです。
※差といっても引き算するだけではないですが

2.そこで、その差=χ2値と、χ2分布というものを見比べます。
比べるのは、χ2分布のその時の自由度と有意水準です。つまりχ2分布表の中で、その時の自由度と有意水準の所の値を見つけて、計算しておいた差=χ2値を比べてどっちが大きいかを見ます。
もし、χ2値(差)の方が大きければ、差は有意である、となります。ギャンブルで言えば、期待される値と実際の値が違うと、イカサマとうことになりますね。

χ2検定の
使用例

t検定との 違い
t検定との違いは扱えるデータの種類です。
t検定では2つの量的データの平均値の差が有意かどうかを見ます。例えば、男の数学の平均値と女の数学の平均値です。差が有意であれば、男の方が数学の点がいい、ということになります。
一方、χ2検定では、質的データの差を検定します。

2013年1月29日 (火)

動機づけmotivation

 

やる気はどうすれば起こるか

動機づけが専門の先生がいる心理系大学院でなくても基本問題や論述問題で動機づけは知っておいて損はありません。例えば 心理的問題を持つ症例が提示されて、どうやってやる気を高めますか?などの論述問題が考えられますし、内発的動機づけとはなんですか?などの基本知識問題も考えられます。どの心理系大学院かにかかわらずある程度知っておきましょう。

 


動機づけとは

動機づけとは・・行動を引き起こす心理的過程と言える


動機づけの種類

内発的動機付け

・・興味や好奇心による動機づけ(長続きする)

外発的動機付け・・報酬による動機づけ(長続きしない)

達成動機づけ・・高い目標を設定してそれを達成しようとする動機づけ


動機づけに与える要因

○期待&価値 ・・成功できるか&やるだけの価値があるか。期待と価値によって動機づけが起こるか起こらないかが決まる。

○自己効力感 ・・自己効力感が高いと行動を起こしやすくなる。自己効力感とはやればできるという感覚のようなもの。自己効力感self efficacyとはモデリング理論で有名なバンデューラが提唱した概念。

○帰属方法 ・・原因帰属は、大きく、外的帰属内的帰属に分けられる。 失敗したのは努力が足らなかったからだ、と内的帰属すれば、失敗しないようにもっと努力しようと考えますよね。つまり内的帰属はやる気が続くことにつながります。 逆に、心理系大学院を受けて落ちたのは、「運が悪かったから落ちたんだ」、と考えれば、どうせ運によって決まるんだから

○自尊心 ・・自尊心を高めることができれば、動機づけは高くなる。

○動因 ・・ 行動を引き起こす内的刺激(興味や好奇心)。動因による動機づけを内発的動機づけという。 ・・ 行動を引き起こす外的刺激(褒められる、食べ物がもらえる)。誘因にいよる動機づけを外発的動機づけという。


動機づけの詳しい解説

○達成動機づけ ・・・ 達成動機づけとは、評価を伴う達成状況において高いレベルで目標を達成しようとする形態の動機づけを言う。 マレーは達成動機づけを達成要求の観点から考え、人間は独力を以って高水準の目標を達成しようとする欲求があり、これによって行動が規定されると仮定し、達成動機には成功願望と失敗恐怖の二つの欲求から構成されると論じた。 ・・・またアトキンソンの期待価値理論によると、成功願望と失敗恐怖の二つの達成要求だけのパーソナリティの安定的側面だけでなく、流動的な周囲状況の期待感や価値観が重要だと考え、成功と失敗の価値及び成功と失敗の期待も強く影響(期待×価値理論)すると論じた。

○原因帰属 ・・・達成行動には行動の結果の原因帰属も強く影響する。 結果の原因としては能力、努力、問題の困難性、偶然性の四要素を考えることが一般的であり、達成動機が高い人は内的帰属する。一方で達成動機が弱い人は外的帰属が強い。

○内発的動機づけ ・・・ 好奇心や関心によってもたらされる動機づけであり、賞罰に依存しない行動である。これは特に子供は知的好奇心が極めて高いために幼児期によく見られる動機づけである。一般的に内発的動機づけに基づいた行動、例えば学習は極めて効率的な学習を行い、しかも継続的に行うことができる。これを育てるためには挑戦的、選択的な状況を想定して問題解決をさせることが内発的動機づけを発展させるものと考えられる。

○外発的動機づけ ・・・ 外発的動機づけとは義務、賞罰、強制などによってもたらされる動機づけである。内発的な動機づけに基づいた行動は行動そのものが目的であるが、外発的動機づけに基づいた行動は何らかの目的を達成するためのものである。強制された外発的動機づけが最も自発性が低い典型的な外発的動機づけであるが、自己の価値観や人生目標と一致している場合は自律性が高まった外発的動機づけと考えられる。外発的動機づけは内発的動機づけと両立しうるものであり、また自律性の高い外発的動機づけは内発的動機づけとほぼ同様の行動が見られる。


やる気をなくすアンダーマイニング現象

アンダーマイニング現象とは、自発的に好奇心で行っていたことに対して報酬が与えられることで動機づけが低下することをいう。 デシのソマパズルの実験 デシは、ソマパズルというものをもちいて実験を行っている。 ソマパズルの実験では、自発的にパズルをしていた子供を、報酬を与える群、報酬を与えない群に分ける。 結果、報酬をもらえなかった群は実験終了の合図の後もパズルを続けた。しかし報酬を与えた群は、実験終了の合図の後にパズルを続けなかった。 この結果は、報酬を与えることによって、興味でパズルをしているのではなく、報酬が与えられるからパズルをしているのだ、と子供が誤って認識(原因の誤帰属という)をしたことを示唆してる。 この現象はアンダーマイニング現象と呼ばれる。

心の理論と発達障害

心の理論

○心の理論とは

他者の心の状態についての仮説のこと。誰でも「他人は今こう考えているんだろうな」という仮説を持っていますが、これを心の理論といいます。 心の理論は、発達障害を理解する際に重要なキーワードになります。自閉症などの発達障害では、心の理論が障害されている、といわれています。つまり他人の立ち場に立って考えることができないということです。

○心の理論はどう獲得されていくか

一次的信念の理解 4歳ごろから

「Aさん(アンさん)は誤ってある物が無い場所にある、と信じている」ということの理解。これだけではわからないと思うのでサリーとアン課題というものを紹介します。 サリーとアン課題とは、一時的信念の理解ができるかどうかを調べるための課題です。 サリーはチョコレートを箱Aにおいて出かけます。⇒そしてアンは、サリーがいない間にチョコレートを箱Bに隠します。⇒さてサリーが帰ってきたときどこを探すでしょう。 という問題が出されます。 当然ふつうは、箱Aを探すと答えます。正解できれば一時的信念が理解できているとみなされるわけですが、発達障害の傾向としては、この課題を解くことに困難を示します。 つまりサリーの立場に立てず、自分の立場で考える(Bにあることを自分は知っているのでサリーも知っていると考える)わけです。

二次的信念の理解 10歳位~

「Aさんは物が間違った場所にあると、Cさんが誤って思い込んでいる」という理解。ジョンとメアリーが二次的信念の理解を知らべる課題として出されることがあります。 ジョンとメアリーの課題 メアリーがアイスの金を取りに帰る、アイス屋が教会に行くことをジョンは知る。メアリーもアイス屋に協会に行くことを知る。ジョンはメアリーの家に行き出かけていたので探しにいく。ジョンはどこに探しに行ったでしょうか? という問題が出されて、正解すれば二次的信念が理解できているということになります。 二次的信念の理解の意味・・・二次的信念の理解は他者から見た自分を知る、ということであり⇒自意識につながるのではないかと考えられます。

○心の理論の習得説

生得説・シミュレーション説・経験説など

○共同注意(三項関係理解の証拠)から心の理論へ

共同注意=ジョイントアテンションとは、母親の視線を追って母親の見ているものに注意を一緒に向ける、というような現象です。 ・共同注意=ジョイントアテンションは、母親に共感してほしいという欲求の表れで、同じものを見ることで他者とつながりたい、という欲求が生まれてきたり、逆につながりたい欲求から共同注意をするようになるといわれています。 母親の視線を追いかけて一緒に同じものに注意を向け(共同注意)、母親は何に関心をもっているのだろうと考えるようになれば、「自分と母親が違うものに関心を持っているんだ」、と考えるようになり次第に「この人はこんなことを考えているんだ」という心の理論の獲得につながっていきます。 子供は初め、「自分ともの」、「自分と母親」というような関係(二項関係)しか理解できません。それが成長するにつれて、「自分と母親と物」、というような三項関係を理解できるようになります。

2013年1月22日 (火)

三項随伴性

三項随伴性とは


三項随伴性とは、行動療法において問題行動や症状をアセスメントする際に用いられる考え方です。
三項とは、先行条件、行動、結果、の3つで、これらが随伴することを三項随伴性といいます。
柔らかく言うと、問題行動は何で、問題行動がどういうときに生じるか、問題行動をした結果どうなるかを分析することです。

三項随伴性を用いたアセスメントの例


問題行動がギャンブルの場合を例にあげます。
1、先行条件
まず、ギャンブルをするときは、どういうときにするのかを質問していき、仕事で失敗したときにギャンブル(問題行動)をするのか、上司に叱られたときにギャンブルをするのかを明らかにします。

2、行動
先行条件の時、何をするか、ということです。ここでの行動はギャンブルになります。

3、結果
先行条件のときにギャンブルを行った後、どういう結果になるかを分析します。
例えば、ギャンブルをすれば、スッキリする、お金がてにはいる、などが結果となり得ます。
この結果は、強化子と考えられます。つまり、問題行動=ギャンブルが維持されるのは、この強化子があるからだと分析されます。

三項随伴性によるアセスメントで何がわかる?


三項随伴性によるアセスメントでは、ギャンブルがなぜ維持されるかがわかります。
そして、強化子が明らかになれば、同じような強化子が得られるような他の行動を代替行動として獲得させる、というような介入が見えてきます。

2013年1月21日 (月)

t検定

t検定とは

t検定とは、2つの平均の差について、その差が偶然なのか、それとも偶然では起こらないくらいの確率で起こったのかを調べるための統計手法。

t検定の例その1

例えば、心理的治療を行った群と心理的治療を行っていない群の2つ健康度得点(の平均)を出すとします。2つの平均値に差がある、つまり、心理的治療群の健康度得点が上がっていれば、心理的治療の効果があったことになります。が、その差は、使ったサンプルだけで見られた偶然の差ではないのか、という話になります。 そこでt検定を行います。t検定を行えば、その差が偶然かそうでないのかが、確率的にわかります。

t検定の例その2

他の例をだします。 男性と女性の生活充実度に差があるか見たい場合です。 もりA大学で男女の平均が8点と10点だったとします。 これで、男性の方が生活充実度が低いと言えるのでしょうか。 さきほどの例と同じように言えません。なぜならサンプルだけに偶然出た差ではないかと言われてしまうからです。日本全国調査すれば、ほとんど差がないかもしれません。 t検定はこのように2つの平均値の差が有意か有意でないかを調べるための統計手法です。 3つ以上の平均を比べるときは、分散分析を使います。

愛着(ホスピタリズム)

ホスピタリズムとは?

ホスピタリズムとは、スピッツが報告した症例に単を発する愛着に関する症候群です。 スピッツは、施設に収容された子供がご飯などの物理的世話が行われているにも関わらず、 子供の死亡率が高いことや精神的な発達が妨げられることを見いだした。 これは、看護の人数の不足が影響していると考えられ、情緒的な世話の重要性を明らかにした研究であった。

従来の行動理論との不一致

この症例は、従来からの、愛着が条件付けによるものとする行動理論に反するものであった。 行動理論では、愛着の形成が条件付けによるもので、ミルクをあげたりと快つまり強化子をもたらす母親に対して愛着を抱くと考えられら。ホスピタリズムはこの行動理論では、説明がつかない現象だったわけである。

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