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2013年2月27日 (水)

夢分析

フロイトの夢分析

クライアントの夢を分析することによってクライエントが抑圧している無意識の内容を明らかにする精神分析の技法。 夢分析によってクライアントが洞察を得ることを目的とする。 フロイトは精神分析の主要な技法として自由連想法と夢分析を重視していた。 フロイトの見解では、夢は無意識的な願望や怒りが歪曲されて生じると考える。 夢が歪曲されて現れる理由は、超自我が意識に無意識的欲求が上らないようにするために、夢の検閲を行うからである、と解釈される。 そのためフロイトの夢分析では顕在夢(覚えている夢)から潜在夢(本質的な夢)を引き出すことが目的となる。

ユングの夢分析

一方、ユングの夢分析は顕在夢が歪曲されたものではなく無意識の内容が圧縮されたものであると考える。普遍的無意識の内容は膨大なため、夢には普遍的無意識の内容が象徴として表れる。そのためユングの夢分析では、その夢にあらわれる象徴を理解することによって個性化の過程を促す。 そのためにユングの夢分析では、拡充法という方法を用いて夢にでてきたテーマを、神話や御伽噺(おとぎばなし)から掘り下げていく場合がある。 大まかな夢分析の考え方やユングとフロイトの夢分析の違いを述べてきましたが、 具体的なフロイトとユングの夢分析の方法はまた次の機会にご紹介します。

2013年2月12日 (火)

心理系大学院の試験勉強―その1―

心理系大学院の試験に向けた勉強方法

大学院や大学編入の試験勉強をするにあたって、「この大学院しか受験するつもりはない」と考えている人以外は、幅広い心理学の知識が求められます。

特に独学で試験勉強をする場合は、心理学部で学ぶような広い知識が必要でしょう。

社会人入試でも編入試験でも同様のことが言えます。

例えば   

  「いろんなところを受験してみたい」  

  「滑り止めのための学校をいくつか受験する予定」

  「編入試験や大学院の試験の内容が学校によってバラバラ」

幅広い心理学の基礎知識を身につけたい

基礎をつけたい場合は、幅広く心理学の知識を網羅する必要があります。 そのため、心理学辞典のような心理学の用語が網羅されている本や、いくつかの参考書を読んだりする必要性がでてきます。

心理学辞典は、心理学の実験や研究法、統計、知覚心理学などの内容が充実している印象です。なので、実験や研究法などが苦手な方にはおすすめです。

ただ、すべて覚えたり理解する必要はないと思います。別の参考書で説明がわかりずらかったり、詳しく説明されていない場合にあれば便利という感じです。

○利点 実験や研究法、、統計、知覚心理学、行動主義心理学などに強い。 他の参考書で説明が不十分なときに、いつでも調べられる。

○欠点 値段が高め(新品で7000円ほど)。 内容に少し偏りがある。

表紙は以下のような感じです。

統計が苦手な方のための必読書

論文にでてくる統計や分析が苦手な方のために、管理人が一番わかりやすいと思った本心理学・社会科学研究のための 調査系論文の読み方です。

統計の内容がわかる、というより、論文に載っている統計や分析が何をしているのかがよくわかります。

本の内容は、分析方法別に、さまざまな統計が使われている論文が載っていて、その論文に出てくる分析方法や数値の意味などを解説している、という構成です。 上で紹介した心理学辞典での統計の説明は少し難しい印象でしたが、心理学・社会科学研究のための 調査系論文の読み方は初心者に非常に親切です。

○利点は、とにかく「わかりやすい」ということです。個人的にはまず統計の内容や計算式を覚えるよりも、論文で使われている統計や分析が何をするためのものなのか、この値は何を意味しているのか、ということをはじめにわかっていれば、非常にとっかかりやすいと思いますし、もっと専門的な統計の参考書もスムーズに頭に入ってきます。

○欠点は、主要な分析についての説明だけなので、クラスター分析や質的分析などは載っていませんし、パス解析や共分散構造分析などの説明は十分とは言えないかもしれません。

表紙はこのような感じです。

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2013年2月 9日 (土)

2013年2月 6日 (水)

短期療法(ブリーフセラピー)

ブリーフセラピーという心理療法について書こうと思いますが、どこの心理系大学院に行きたいかによって、あまり勉強する必要はないかもしれません。もしブリーフセラピーを専門にしている先生が大学院にいないならば、ブリーフセラピーがどういうものかを簡単に説明できるくらいの基本的な知識を覚えるだけでいいと思います。

短期療法:ブリーフセラピーとは

源流はミルトンエリクソンやグレゴリーベイトソン。 元々家族療法の研究をしていたMRI(メンタルリサーチインスティテュート)を中心に発展した心理療法。短期療法の代表的なアプローチである解決志向アプローチ:SAFを紹介します。

解決志向アプローチ:SFA

インスー・キム・バーグとスティーブ・ド・シェイザー(夫婦)が設立したBFTCでは解決志向アプローチ(SFA)が開発され、MRI的ブリーフセラピーに代わり勢力をつけている。

○解決志向アプローチ:SFAの課題設定

解決志向アプローチ:SFAでは課題の設定が重視される。 課題は、解決に焦点を当てて設定される(CBTのようにセラピストが与えるのではない) 課題は、例外(問題が起こらないとき)患者の過去に行った問題解決に基づいて設定される。 ○課題設定のための質問法 スケーリングクエスチョン・コーピングミラクルクエスチョン・ミラクルクエスチョンなどの質問法を用いて明確に課題設定を行う(well-fomed goal=よく練られた目標を重視)  ・ミラクルクエスチョン・・目標や課題設定(患者が自分で目標を立てれないとき)  ・コーピングクエスチョン・・目標や課題設定  ・スケーリングクエスチョン・・明確な目標設定課題設定   ⇒このような課題は、馴染みがあり抵抗が減るというメリットがある。

○SFAにおけるコーピングクエスチョン

コーピングとは患者が過去(or現在)に行ってきた問題への対処行動のことで、コーピングクエスチョンとは、 そのコーピングを聞き出すことである。 例えば    「これまで、どのように問題や症状を対処してきたのですか?」    「どうやって問題を悪化させずにしてこられたのですか?」 聞き出したコーピングは、上述のように、課題設定に用いられるが、それだけではなく、 コーピングクエスチョンで得た情報はもっとするよう奨励される(do more)。

○SFAにおけるミラクルクエスチョン

患者が自分で目標や課題を立てれないとき、目標や課題設定をするために用いられる質問法 「明日朝起きて奇跡的にすべてのことがよくなっていたとしたら、どんな感じですか」など  ⇒ミラクルクエスチョンで得た情報をもとに目標や課題を設定する。

○SFAにおけるスケーリングクエスチョン

明確な目標設定や課題設定のために用いられる質問法。 「もっと気分や症状が良くなるといいです」と漠然と目標をいう患者に対して、より具体的な目標を設定するため 今の状態を数字でスケーリング(得点化)して、目標となる点数を決める。

○SFAにおける解決に焦点を当てたソリューションクエスチョン

SFAで用いられるソリューションクエスチョンとは、問題の原因やトラウマなどを探すのではなく、 解決に焦点を当てた質問法である(次に説明するコーピングクエスチョンを含む)。          ソリューションクエスチョン←→プロブレムクエスチョン

○Do more

例外や過去の解決をもっとするように奨励するアプローチのこと。

○スケーリングクエスチョン

解決に焦点を当てた評価法でそれ自体が強力な介入法である点でアセスメントとは異なる スケールがあがればクライエントをコンプリメントし、質問でさらに情報を得る。 スケールがあがっていなくてもどうやって悪化させずにしているかを尋ねる(coping)。

○解決志向アプローチ:SFAの基本的哲学

・患者の回復力を前提にしている(≒ロジャーズ)  ・患者は適応的な行動をすでにもっている ⇔ 行動療法(問題や症状を学習不足と考える)     ex.リソース、過去の成功例、例外を利用

○コーチングなどに応用

トレイニング=トレイナーが決めた目標を達成する

⇔コーチング=クライエント自身が目標を主体的に決定する

○NLP(神経言語プログラミング)

グリンダーとバンドラーを中心に開発された心理療法。 MRIで開発されたわけではないが、エリクソンやベイトソンの流れを組む。エリクソンの催眠、パールズ.F.、サティアの影響を受けている。 現在はセラピーだけでなく、自己啓発、コーチング、プレゼンテーションなど多くの分野で活用されている。

母性剥奪:マターナルディプリベイション

小さいころから母親と離ればなれになる、母親からの情緒的な世話が十分に受けられない・・・ そのことが愛着の形成を難しくしたり、知的遅れ、非行などに影響することがあるといわれており、心理学ではよく取り上げられています。心理系大学院や心理系の大学編入をする場合には、基本的知識としてある程度しっておく必要はあると思います。

○母性剥奪とは

moternal deprivationの訳で、小さい頃に母親から分離させられるような体験のことです。

○母性剥奪の影響

ボウルビーの研究

愛着を研究していたことで有名なボウルビーは、非行少年を研究していました。
ボウルビーの非行少年を対象にした研究でわかったことは、
対象の非行少年の多くに、母親との分離体験があったこと、
母親との分離体験をしているものの多くに、感情的な問題や知能の遅れ、などが見られたこと、である。

 

スピッツの研究

同じく愛着研究で有名なスピッツは、施設に収容された子供たちを研究して、
ホスピタリズムを報告しています。
ホスピタリズムとは、施設に収容された子供たちが示した症状です。
施設に収容された子供たちは、食事や生活面での世話を受けているにも関わらず、成長の遅れなど、様々な症状を呈しました。
ホスピタリズムがしょうじた理由は、少ない世話がかりに対して子供たちが多く、情緒的な世話が足りていなかったためだと考えられます。

 

2013年2月 5日 (火)

ユングの普遍的無意識

今回はユングの普遍的無意識(集合的無意識)という概念についてです。日本の大学院では、とくに国立の大学院ではユング系の先生が多い印象があります。ユング系の大学院を受験するのであれば、試験対策としてユングの普遍的無意識は必須の基本的知識となります。

Jung

普遍的無意識とは

普遍的無意識とは、ユングが着想した概念であり、誰もが共通して持つ人類普遍的な無意識のこと
ユングは、物語や土偶などが、世界共通してみられることに気がつきました。

そこでユングは、人類に共通した普遍的な無意識が、同じような内容の物語や土偶などが作られることに影響していると考えました。

普遍的無意識を構成する元型

フロイトが個人的無意識がコンプレックスから構成されていると考えたのに対して、ユングは普遍的無意識は元型から構成されていると考えました。

元型とは

普遍的無意識を構成する元型は、普遍的な男性性や女性性、老賢者のイメージとして現れると考えられます浮かんでくるイメージの一部には、元型の影響である場合があるとされます。

元型の種類

アニマ
アニムス
シャドウ
ウロボロス

2013年2月 4日 (月)

心理学系サイト

おまりのブログの内容以外のことを知りたい方に、心理系のサイトが集められているにほんブログ村をご紹介します。

上のリンクは、にほんブログ村というサイトの恋愛ブログを集めたものです。関心のある方はどうぞ

家族療法

家族療法とは、ベイトソンらのダブルバインド理論などから発展した心理療法です。
家族療法には様々な学派がありますが、共通した特徴があります。

問題の原因は患者だけにあるのではない

家族療法では、問題や症状の原因を患者に求めない、という点に特徴があります。
そのため、患者のことを患者と見なされた者(identified patient:IP)と言います。
通常の個人療法では、原因があって問題がでてくる、という考え方をします。
しかし、家族療法では、原因は一つではなく、結果にも原因にもなり得る、と考えます。
前者は直線的因果率といい、後者は円環的因果率といいます。

つまり、家族療法では、家族を1つのシステムとして捉えて、家族のシステムがうまく機能していないと、特定の家族成員に問題や症状として現れると考えます(システム論的アプローチと言います)。

 

家族療法の学派

1コミュニケーション学派・・・代表的人物:ベイトソンらの影響
2構造派家族療法・・・代表的人物:ミニューチン
3戦略的家族療法・・・ 代表的人物:ヘイリー
4多世代派家族療法 ・・・代表的人物:ボーエン
5文脈的家族療法 ・・・代表的人物:ナージ

など、様々な学派があります。
各学派については、後々ご紹介していきます。

ダブルバインド

ダブルバインド(二重拘束)とは
ダブルバインドとは、統合失調症の患者の家族に特徴的なコミュニケーションのあり方です。

ダブルバインドは元々、統合失調症の家族を研究していたベイトソンが報告した、患者にとってストレスフルなコミュニケーションです。

具体的には、家族が患者に対して矛盾するメッセージ(例えば、勉強しなくてもいいよ、と言いながら貧乏ゆすりをする)を送ることで、患者がどう行動すべきかわからず身動きが取れない状態になります。

ベイトソンはこのストレスフルなダブルバインドが統合失調症の発症に関与していると考えました。

現在、このダブルバインドは統合失調症の直接的な原因とは考えられていないようですが、子供が葛藤状態に晒される可能性があります。


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