インプリンティング=刷り込み
先ほどの記事ではティンバーゲンの生得的触発機構について書きました。
そこで今日は生得的触発機構に関連して、ティンバーゲンと同じ比較行動学の分野で活躍したローレンツのイン
プリンティングについて書きたいと思います。
インプリンティングとは
インプリンティングとは、動物が生得的に持つ行動メカニズムの一つで、はじめに見た相手を母親と思い
込んで後を追うといった行動のことです。
ローレンツが「ソロモンの指輪」で、ローレンツ自身がハイイロガンの雛がローレンツを母親だと思い込んで、後を
追ってきた、という体験について書いています。
つまりハイイロガンの雛は、生まれてすぐローレンツを見たため、ローレンツは母親なのだという考えが刷り込まれたのです。
インプリンティングと愛着
インプリンティングという現象は、愛着の研究に新たな視点を与えた研究だといえます。
つまり、人間の赤ちゃんが母親の後を追ったりするのは、生得的な行動メカニズムであり、ハイイロガンが母親とみなしたものを追う
のと一緒なのではないか、という考え方ができるかもしれない、ということです。
そのためこのインプリンティングの理論は、心理学、特に愛着研究に大きな影響を与えた研究といえるでしょう。