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2013年8月23日 (金)

葛藤理論(コンフリクト)

あれもやりたいけど、これもやりたい、

あれはいやだけど、これも嫌、

あれはやりたいけど、これは嫌、

このような状態が葛藤状態です。葛藤とは英語でコンフリクトと言います。
一言でいえば、二つ以上の欲求が同時に起きて選択を迫られてた際の緊張状態のことです。

葛藤(コンフリクト)に関することを理論化したものの総称を葛藤理論といいます。
葛藤理論の有名な理論化にはレヴィンがいます。
レヴィンは、集団力学の研究や葛藤を理論化したことで有名です。

葛藤の種類

葛藤理論で有名なレヴィンが示した葛藤には、様々な種類があります。
1、接近-接近の葛藤
「これもやりたいけど、これもやりたい」というような場合は接近-接近の葛藤
「これも欲しいけど、これも欲しい」という場合も接近-接近の葛藤です。

つまり、同じくらいの魅力のある選択肢をひとつ選ばなければならなくて緊張状態陥る場合に
接近-接近の葛藤と言います。

        例えば、「あの心理学の本も欲しいけど、あっちの心理学の本も欲しい」
               「あの男性も素敵だけど、あっちの男性も素敵」

2、接近-回避の葛藤
「あれをしたいけど、こうはなりたくない」
「あれが欲しいけど、お金がなくなる」

つまり、やりたいことがあるけど、それを選択すると嫌なことが起こるので緊張状態に陥る場合に、
接近-回避の葛藤と言います。

                        例えば、「服が欲しいけど、お金がなくなってしまう」
                                 「遊びたいけど、学校の成績が悪くなる」

3、回避-回避の葛藤
「これをやりたくないけど、こうなるのは嫌だ」
「こうなるのも嫌だけど、こうなるのも嫌だ」

つまり、やりたくないことをしなければ、嫌なことが起こので緊張状態に陥る場合に、
回避-回避の葛藤と言います。

                     例えば、「勉強はしたくないけど、成績が悪くなるは嫌だ」
            「仲間外れになりたくないけど、声をかけて嫌がられるのは嫌だ」
 

デイリーハッスルズ理論とライフイベント理論

ストレス研究にはいくつかの立場がありますが、今回は、ライフイベント理論とデイリーハッスルズ理論を紹介します。

ライフイベント理論とは



ライフイベント理論というのは、ホームズらが提唱しているストレス理論です。
ホームズらは、疾病の発症時期と生活適応を必要とする出来事の発生時期が一致していることに注目しました。
ライフイベント理論では、さまざまなライフイベントには震度(マグニチュード)があり、その震度がどれだけである
かが、疾病の発症と関係する
と考えられます。

ホームズらはライフイベントの震度を測定するチェックリストを作っており、
例えば、配偶者の死亡は100点となります。そして、ホームズらの研究では、この合計得点が高いと様々な
ストレス関連疾患にかかりやすいことが示されています。


デイリーハッスルズ理論


デイリーハッスルズDaily hassles は日常生活いらだち事と訳されます。
デイリーハッスルズ理論は、ラザルスがライフイベント理論への批判として、「日常生活の些細なことにより、
常に長期間繰り返され、かつ意識されないうちに経験されるストレス」
が重要であると考えました。

デイリーハッスルズには、「待ち合わせ時間になっても相手があらわれない」「満員電車で押されてイライラする」
「子供が泣きやまない」、などの些細で繰り返されるような出来事が含まれます。

2013年8月18日 (日)

ゲシュタルト心理学

ゲシュタルト心理学

ゲシュタルトとは、まとまりという意味です。

ゲシュタルト崩壊という言葉をご存知でしょうか?

ゲシュタルト崩壊とは、漢字やひらがなをずっと眺めているとわけがわからなくなったり、線の集まりに見えたりすることです。

「あれ?”崩壊”ってこんな漢字だったっけ?」と思い始めたりします。

ゲシュタルト崩壊は、失認症とされていましたが、現在では、疲れていたり寝不足だったりするだけでも、この現象が起こります。

失認症というのは、文字が認識できなくなったり、人の顔がわからなくなることです(相貌失人といいます)

話をもとに戻しましょう。 ゲシュタルト心理学とは、ヴントの心は要素に分解できるという要素主義への批判として出てきた立場です。

つまり全体は単に要素の集まりではなく、全体は要素の集合以上のもの                            全体=要素+α という考えです。

仮現運動

全体が要素の集まり以上であるという例が、ゲシュタルト心理学の代表者であるウェルトハイマーが示した仮現運動です。

仮現運動とは、例えば

ランプが二つ離れたところにあり、それがある程度の速さで点滅していると、光が移動しているように見える現象です。

パラパラ漫画も仮現運動の例です。 ただの静止画の集まりなのに動いているように見える・・・・つまり全体=要素+α

地と図

ゲシュタルト心理学の言葉に地と図というものがあります。

地と図とは、注意している部分と注意を払っていない部分と言い換えることができます。

例えば、錯視を見たことがあるでしょうか。

おばあさんの顔に見えていた絵が見方を変えれば二人の人に見えるようなだまし絵のようなものです。 この錯視の場合、絵がおばあさんに見えているとき、おばあさんは図(注意を払っているところ)で、二人の人は地(注意を払っていないところ)と言います。 つまりおばあさんを見ている場合、おばあさんがまとまり(ゲシュタルト)として見えているわけですね

群化の要因

では、なぜまとまりに見えるのでしょうか。

まとまりとして見えるためには(群化するためには)、いくつかの要因があるといわれています。 それを群化の要因といいます。

近接の要因  近くにあるものはまとまって見えやすい

類同の要因  似ているものはまとまって見えやすい

閉合の要因  閉じているものはまとまって見えやすい・・・例えば「」()を見たときに 」( がひとまとまりには見えませんよね。

良い連続の要因  例えば、X を見たときに VとΛの合体したものと見るのではなく、線が二つクロスしているという風に見えます。  

ゲシュタルト心理学の研究者

ゲシュタルト心理学の研究者には、ウェルトハイマーの他に、ケーラーやレヴィンがいます。

ケーラーは、ソーンダイクの試行錯誤学習への批判としての、洞察学習を提唱した人です。

レヴィンは、集団力学・集団心理学の研究者で、集団の行動は個々人の行動の集合以上のものだと考える立場の人です。

2013年8月11日 (日)

ランダム化比較試験RCT

ランダム化比較試験RCT

ランダム化比較試験とは、心理療法の介入効果や薬物の介入効果を調べるための研究方法の一つです。 どういった研究法かと言うと、被験者をランダムに治療する群と治療しない群に分けて効果をみる方法です。 例えば、 介入群と統制群 ランダム化比較試験をするにあたって、治療効果を調べるためとはいえ、何もせずに統制群を放置していてもいいのか、という倫理的問題がでてきます。

この倫理的問題は非常に重要なので、覚えておいてください。

話をもどすと、ランダム化比較試験では、この問題を解決しないといけないことになるわけですが、どうやって解決しているのでしょう。

倫理的問題の解決法

解決方法にはいくつかあります。
例えば、ウェイテイングリストコントロール群WLCというのを統制群にします。ウェイテイングリストコントロール群とは、治療をしないわけではなく、介入群への介入が終わった後に、介入する群です。この方法であれば、被験者に治療をしないという倫理的問題が解決できます。

2013年8月10日 (土)

病態水準論と人格構造論

病態水準論と人格構造論

今回、書こうと思っている記事は、病態水準論と人格構造論という考え方です。
病態水準論とは自我の能力の観点から(後で説明します)精神疾患を分類する考え方で、臨床心理学系の学部編入や大学院の試験をうけようと考えている受験生であれば知っていて当然といっても過言ではありません。

人格構造論というのは、カーンバーグという心理学者が提唱した考えで、自我の能力の観点から人格を分ける方法です。
病態水準論はカーンバーグの人格構造論に基づいた精神疾患の分類方法です。
では詳しく説明していきます

人格構造論

人格構造論とは、カーンバーグという心理学者の考え方で、
人格を「現実検討能力」「自我同一性」「防衛機制」の観点から「神経症人格構造」「境界人格構造」「精神病人格構造」分類しようという考え方です。

.....と言われてもよくわからないかもしれません。具体的に説明します。

例えば、誰もしゃべってないのに話し声が聞こえてくることはない(現実検討能力○)、そして昨日の自分と今日の自分が全く別人のようである(自我同一性×)、分裂・投影性同一視・理想化・脱価値化などの防衛機制を使う(原始的防衛機制)
    この場合は、境界人格構造に分類されることになります。

以下に病態水準論による分類をまとめます。試験勉強では以下の所だけを集中して覚えれば試験時に内容も思い出しやすいと思います


神経症人格構造=現実検討能力○ 自我同一性○ 防衛機制○(高度な防衛機制を使う)

  境界人格構造=現実見当能力○ 自我同一性× 防衛機制×(原始的防衛機制を使う)

精神病人格構造=現実検討能力× 自我同一性× 防衛機制×(原始的防衛機制を使う)

下に行くほど重いと考えればいいと思います。

病態水準論

病態水準論とは、一言で言うと、精神疾患の分類方法です
と、いうことは他の精神疾患の分類方法もあるわけです。DSMの分類方法ですね。
DSMの分類方法は、症状の項目にどれだけ当てはまるかで精神疾患を分類する方法です。

病態水準論は、カーンバーグの人格構造論に基づき精神疾患を分類する方法です。

神経症レベル=現実検討能力○ 自我同一性○ 防衛機制○(高度な防衛機制を使う)

  境界レベル=現実見当能力○ 自我同一性× 防衛機制×(原始的防衛機制を使う)

精神病レベル=現実検討能力× 自我同一性× 防衛機制×(原始的防衛機制を使う)


病態水準論と人格構造論の違い

病態水準論と人格構造論の説明がほぼ同じなので、違いを説明しておきます
簡潔に言うと、カーンバーグが提唱した人格構造論というのは、自我の能力の観点から人格を分けるという考え方です。
病態水準論というのは、カーンバーグの人格構造論をもとにした精神疾患の分け方(の考え方)です。

その他

カーンバーグの人格構造(Personality Organization)は、臨床心理系の大学院や学部編入の試験の時に略語で出題されることがあります。特に精神分析系の大学ではあり得ます
なので時間があれば覚えましょう

神経症人格構造(NPO)
境界人格構造(BPO)
精神病人格構造(PPD)

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