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2013年8月10日 (土)

病態水準論と人格構造論

病態水準論と人格構造論

今回、書こうと思っている記事は、病態水準論と人格構造論という考え方です。
病態水準論とは自我の能力の観点から(後で説明します)精神疾患を分類する考え方で、臨床心理学系の学部編入や大学院の試験をうけようと考えている受験生であれば知っていて当然といっても過言ではありません。

人格構造論というのは、カーンバーグという心理学者が提唱した考えで、自我の能力の観点から人格を分ける方法です。
病態水準論はカーンバーグの人格構造論に基づいた精神疾患の分類方法です。
では詳しく説明していきます

人格構造論

人格構造論とは、カーンバーグという心理学者の考え方で、
人格を「現実検討能力」「自我同一性」「防衛機制」の観点から「神経症人格構造」「境界人格構造」「精神病人格構造」分類しようという考え方です。

.....と言われてもよくわからないかもしれません。具体的に説明します。

例えば、誰もしゃべってないのに話し声が聞こえてくることはない(現実検討能力○)、そして昨日の自分と今日の自分が全く別人のようである(自我同一性×)、分裂・投影性同一視・理想化・脱価値化などの防衛機制を使う(原始的防衛機制)
    この場合は、境界人格構造に分類されることになります。

以下に病態水準論による分類をまとめます。試験勉強では以下の所だけを集中して覚えれば試験時に内容も思い出しやすいと思います


神経症人格構造=現実検討能力○ 自我同一性○ 防衛機制○(高度な防衛機制を使う)

  境界人格構造=現実見当能力○ 自我同一性× 防衛機制×(原始的防衛機制を使う)

精神病人格構造=現実検討能力× 自我同一性× 防衛機制×(原始的防衛機制を使う)

下に行くほど重いと考えればいいと思います。

病態水準論

病態水準論とは、一言で言うと、精神疾患の分類方法です
と、いうことは他の精神疾患の分類方法もあるわけです。DSMの分類方法ですね。
DSMの分類方法は、症状の項目にどれだけ当てはまるかで精神疾患を分類する方法です。

病態水準論は、カーンバーグの人格構造論に基づき精神疾患を分類する方法です。

神経症レベル=現実検討能力○ 自我同一性○ 防衛機制○(高度な防衛機制を使う)

  境界レベル=現実見当能力○ 自我同一性× 防衛機制×(原始的防衛機制を使う)

精神病レベル=現実検討能力× 自我同一性× 防衛機制×(原始的防衛機制を使う)


病態水準論と人格構造論の違い

病態水準論と人格構造論の説明がほぼ同じなので、違いを説明しておきます
簡潔に言うと、カーンバーグが提唱した人格構造論というのは、自我の能力の観点から人格を分けるという考え方です。
病態水準論というのは、カーンバーグの人格構造論をもとにした精神疾患の分け方(の考え方)です。

その他

カーンバーグの人格構造(Personality Organization)は、臨床心理系の大学院や学部編入の試験の時に略語で出題されることがあります。特に精神分析系の大学ではあり得ます
なので時間があれば覚えましょう

神経症人格構造(NPO)
境界人格構造(BPO)
精神病人格構造(PPD)

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