解決志向アプローチ(SFA)
解決志向アプローチ(SFA)とは?
過去記事の短期療法でも少し紹介しましたがここで詳しく解決志向アプローチをご紹介します。
解決志向アプローチ(SFA)とは、ブリーフセラピー(短期療法)の一つのアプローチです。 そのため、解決志向ブリーフセラピーとも呼ばれます。
NLPも短期療法に含まれることがありますが、NLPもSFAも比較的最近のものです。
SFAでは、問題の原因に焦点を当てて分析するのではなく、解決に焦点を当てて介入を行います。
解決志向アプローチ(SFA)では、クライエントが無能でセラピストに頼らないと問題が改善しないと考えるのではなく、実はすでに問題を解決するリソース(資源)を持っていると考えます。
偽解決
SFAでは、「クライエントが行ってきた、問題を解決しようとする試み」が逆に問題を維持させているのではないかと考えます(偽解決)
その偽解決のパターンを本当の解決につなげることが解決志向アプローチの目標となります。
例外とリソースの活用
問題や症状はいつもいつも生じるわけではありません。あの人に会うといつもイライラしたり緊張したりして疲労がたまる、とクライエントが言っていても、そこには例外が存在します。
嫌いな人に会っても、いつも同じ解決法を使っているわけでもなく、会って疲れるときもあれば疲れないときもあります。
そこで会ってもイライラしないときや疲れないときに、どういう解決法を使っていたのか、イライラして疲れる時とどのような点で違ったのかを知ることによって、クライエントが持っている解決法(リソース)を発見し、介入に役立てます。
ミラクルクエスチョン
解決志向アプローチでは、「~クエスチョン」と呼ばれる質問方法がいくつかあります。
ミラクルクエスチョンとは、「奇跡が起こって明日すべてが良くなっていたら、どんな状況ですか?」と質問する技法です。
目標設定を明確にする役割があります。
スケーリングクエスチョン
スケーリングクエスチョンとは、今の状態を点数で評価してもらうための質問方法です。
「最高の状態を10点とすれば、今は何点ですか?」と聞きます。
今の状態を把握したり、前にも良い状態があったこと(例外)を発見したり、より具体的な課題設定のために使われます。また治療の進展具合の目安にもなります。
コーピングクエスチョン
コーピングとはクライエントが過去または現在に行ってきた問題への対処行動のことです。
コーピングクエスチョンとは、 その対処法(コーピング)=リソースを聞き出すことである。
「これまで、どのように問題や症状を対処してきたのですか?」
「どうやって問題を悪化させずにしてこられたのですか?」 と聞きます。
聞き出したコーピングは、課題設定に用いられるが、それだけではなく、 コーピングクエスチョンで明らかになった問題解決方法はもっとするよう促されます(do more)。
Do more
例外や過去の解決方法をもっとするように奨励することです。
例えば、赤ちゃんが泣くと、気が狂いそうになるくらい怒る人に、怒らないときにしていることをもっとするように言ったり褒めたりします。
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