« タイプA行動パターン | トップページ | 神経言語プログラミング(NLP) »

2013年10月31日 (木)

解決志向アプローチ(SFA)

解決志向アプローチ(SFA)とは?

過去記事の短期療法でも少し紹介しましたがここで詳しく解決志向アプローチをご紹介します。

解決志向アプローチ(SFA)とは、ブリーフセラピー(短期療法)の一つのアプローチです。 そのため、解決志向ブリーフセラピーとも呼ばれます。

NLPも短期療法に含まれることがありますが、NLPもSFAも比較的最近のものです。

SFAでは、問題の原因に焦点を当てて分析するのではなく、解決に焦点を当てて介入を行います。

解決志向アプローチ(SFA)では、クライエントが無能でセラピストに頼らないと問題が改善しないと考えるのではなく、実はすでに問題を解決するリソース(資源)を持っていると考えます。

 

偽解決

SFAでは、「クライエントが行ってきた、問題を解決しようとする試み」が逆に問題を維持させているのではないかと考えます(偽解決)

その偽解決のパターンを本当の解決につなげることが解決志向アプローチの目標となります。

 

例外とリソースの活用

問題や症状はいつもいつも生じるわけではありません。あの人に会うといつもイライラしたり緊張したりして疲労がたまる、とクライエントが言っていても、そこには例外が存在します。

嫌いな人に会っても、いつも同じ解決法を使っているわけでもなく、会って疲れるときもあれば疲れないときもあります。

そこで会ってもイライラしないときや疲れないときに、どういう解決法を使っていたのか、イライラして疲れる時とどのような点で違ったのかを知ることによって、クライエントが持っている解決法(リソース)を発見し、介入に役立てます

ミラクルクエスチョン

解決志向アプローチでは、「~クエスチョン」と呼ばれる質問方法がいくつかあります。
ミラクルクエスチョンとは、「奇跡が起こって明日すべてが良くなっていたら、どんな状況ですか?」と質問する技法です。
目標設定を明確にする役割があります。

スケーリングクエスチョン

スケーリングクエスチョンとは、今の状態を点数で評価してもらうための質問方法です。
「最高の状態を10点とすれば、今は何点ですか?」と聞きます。
今の状態を把握したり、前にも良い状態があったこと(例外)を発見したり、より具体的な課題設定のために使われます。また治療の進展具合の目安にもなります。

コーピングクエスチョン

コーピングとはクライエントが過去または現在に行ってきた問題への対処行動のことです。
コーピングクエスチョンとは、 その対処法(コーピング)=リソースを聞き出すことである。

「これまで、どのように問題や症状を対処してきたのですか?」
「どうやって問題を悪化させずにしてこられたのですか?」 と聞きます。
聞き出したコーピングは、課題設定に用いられるが、それだけではなく、 コーピングクエスチョンで明らかになった問題解決方法はもっとするよう促されます(do more)。

Do more

例外や過去の解決方法をもっとするように奨励することです。
例えば、赤ちゃんが泣くと、気が狂いそうになるくらい怒る人に、怒らないときにしていることをもっとするように言ったり褒めたりします。

重要キーワード:解決志向アプローチ、SFA、短期療法、ブリーフセラピー、リソース、偽解決

« タイプA行動パターン | トップページ | 神経言語プログラミング(NLP) »

臨床心理学(心理療法)」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 解決志向アプローチ(SFA):

« タイプA行動パターン | トップページ | 神経言語プログラミング(NLP) »

無料ブログはココログ

独学用の心理学参考書

  • 片口先生のロールシャッハテスト書籍
    片口法の書籍で値段は約10000円と高いです。ただロールシャッハテストを実施する人には必須で、元は取れると思います。
  • 行動を暴く心理学(電子書籍)
    人間関係を悪化させるマインドコントロール人間についてわかりやすく分析した電子書籍です。第一作目は99円で販売されておりアプリでPC・スマホなどでも見れます。
  • 東田直樹 「自閉症の少年が明かす自閉の世界」
    まともなコミュニケーションが取れないと考えられていた自閉症ですが、東田直樹氏は自らパソコンによるコミュニケーション能力を獲得し、流暢な言葉で著書を出版しています。                                  
  • 心理学小辞典(USBメモリー版)
    •現代心理学の全ての領域にわたる概念・理論・方法・技法・学者人名を網羅した辞典のUSBメモリ版
  • 合格ナビ!臨床心理士指定大学院攻略
    臨床心理学の文章が英語と日本語訳と書かれています。英文の解説もあるので、臨床心理学と英語が同時に学べる一石二鳥な参考書です。
  • よくわかる心理統計
    ミネルヴァ書房のよくわかるシリーズの統計です。かなり詳しくわかりやすく心理統計を説明しています。 詳しく書いている分だけ多変量解析の説明が物足りないかもしれません。
  • 図解雑学フロイトの精神分析
    精神分析を学ぶならまずわかりやすい図解シリーズでまず勉強することをおすすめします。
  • 心理学辞典
    一人一冊は持っておきたい心理学辞典です。 内容は十分ですが、お値段がそれなりにします。