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2013年11月29日 (金)

発達の規定要因

子供の発達は遺伝的に決まっているのか、
それとも環境によって後天的に決まるのか、

子供の発達が遺伝要因によるものか環境要因によるものかは大きな心理学のテーマです。

そこで、今回は子供の遺伝論と環境論をご紹介します。


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遺伝論

・成熟レディネス論
ゲゼルは、発達は成熟によるものであるとして、成熟レディネス論を提唱しています。
レディネスは準備性と訳されます。

ゲゼルによると、発達の早期に何かを学習させようとしても、ある程度成長しないと学習は起こらないと考えています。
成熟レディネス論では、遺伝要因が重要だと考えます。

環境論

「環境要因」と言うと、通常は親・家族・学校なども含まれます。
特に親の影響は大きな環境要因です。

・学習理論
学習理論のワトソンは、子供の発達は先天的に決まるのではなく、環境によって決まると考えます。
ワトソンの意味する環境とは、もっぱら「学習」を意味します。

・環境要因が強い特性
親の影響(環境要因)が大きいと思われる特性には、絶対音感があります。
絶対音感は、遺伝の影響をあまり受けず、環境の影響を受ける特性です。
つまりトレーニングが必要。

重要キーワード:成熟レディネス論、学習理論、ゲゼル、発達の規定因

2013年11月 9日 (土)

類型論

類型論とは?

類型論とは、心理学での性格の捉え方は、大きく、類型論と特性論に分けられます。

類型論とは、簡単に言うと性格のタイプ分けです。

よく似た性格の人同士を集めていくと、最終的に、いくつかのタイプに分かれていくと考えます。

クレッチマーの類型論

クレッチマーは、体格によって性格を3つに類型しています。
もともと、分裂病の患者にはやせた人が多く、躁うつ病の人は太った人が多い
ということから着想を得ました。

・細長型=分裂気質・・・・非社交的で静か、まじめ、控え目
・肥満型=躁うつ気質・・・・社交的、温厚、気分の浮き沈みが激しい
・闘士型=粘着気質・・・・エネルギッシュ、頑固、几帳面

シェルドンの類型論

シェルドンは綿密な調査から体格と性格の関連性を見つけ、
それを胎児期の発生と結び付けて考え、性格を3類型しました。

・丸い体系=内胚葉・・・・社交的
・がっしり=中胚葉・・・・リーダーシップを発揮する
・ほっそり=外胚葉・・・・繊細で思慮深い

シェルドンの類型はクレッチマーの類型と類似しています。

ユングの類型論

ユングは心のエネルギーが内に向かうか外に向かうかで「内向的」か「外向的」かに分かれると考えました。

さらに、「思考・感情・感覚・直観」の四つの心の機能のうち、
どれが発達しているかによって、

「内向・外向」×「思考・感情・感覚・直観」の計8類型を考えました。

今回は「類型論」を紹介しましたが、次回は「特性論」の話をします。

重要キーワード:類型論、クレッチマー、体型、タイプ分け、ユング、シェルドン

2013年11月 5日 (火)

原因帰属

原因帰属とは?

人は物事について、原因は何なのか、と考える傾向があります。

「あの人はなぜあんな行動をしたんだろう」「息子が指しゃぶりする原因はなんだろう」

このように人は他人の行動の原因や出来事の原因を知りたがります。 この心理作用のことを帰属といいます。

 

内的帰属と外的帰属

一般に、人の行動は、行動した人の要因か、環境の要因か、どちらかの要因に原因帰属されます。

仕事で失敗したときに、自分の努力不足だと考えるのは、内的帰属です。 反対に、ノルマが多すぎたから失敗したと考えるのは、外的帰属です。

ハイダーは、人の行動の原因を帰属する方法として、内的帰属がよく用いられると主張しました。 ハイダーによると、内的帰属に至るには複雑なプロセスがあります。

内的帰属のプロセス

内的帰属に至るには、観察された他人の行動が意図的であり、外的圧力があることが必要です。

例えば、「Aさんが満員電車でBさんを後ろから押した」とします。 これを見た人は、まずAさんが意図的にやったかどうかを判断します。 さらに、外的圧力が存在したならば(Aさんも押されたんだ)、外的要因に帰属されます(Aさんのせいではない)。 反対に、外的圧力がなければ、Aさんの攻撃的な性格が原因だ、と内的帰属されます。

また、観察された他人の行動が意図的と判断されなくても、他の情報との照合によって、Aさんは、体が弱く立ちくらみしたんだ、と内的帰属されることもあります。

どちらの例も内的帰属へ至るプロセスですが、意図的かどうかの違いがあります。

 

引用:グラフィック社会心理学 (Graphic text book)

重要キーワード:原因帰属、内的帰属、外的帰属、ハイダー

2013年11月 4日 (月)

精神分析とクライエント中心療法の違い

快楽原則によるエスの働きを一次過程

心理系大学院の院試では、しばしば「~療法と~療法の違いを述べよ」などの論述問題が出題されます。
なので試験対策として有名な心理療法同士の違いを説明できることは必須です。

精神分析の特徴

○過去に焦点を当てる

フロイトの精神分析では、神経症の原因を無意識に抑圧された未解決な過去の出来事に求めます
そのため、精神分析的治療では過去に焦点を当てた技法が使われます。
二大技法である言語連想法と夢分析も無意識に抑圧された過去をひっぱりだすために用いられます。

○指示的である

また精神分析は指示的であるのが特徴です。

言語連想法でも夢分析でも、カウンセラー側は、意図を持って指示を与えます。 例えば言語連想法では「思いついたものを言ってください」と指示をします。

さらに精神分析では、無意識に抑圧された過去の事柄についてクライエントに解釈を与えます(解釈投与と言います)。解釈を与えるのもある意味で指示的と言えます。

クライエント中心療法の特徴

○非指示的
クライエント中心療法(来談者中心療法)の特徴は、精神分析と違って非指示的と言われます。
以前は、非指示的療法と呼ばれていたくらいです。
クライエント中心療法では、カウンセラーが3つの必要十分条件を満たすだけで自己実現が発揮されると考えられ、クライエントが向かうべきところもクライエント自身が一番良く知っていることを前提にしているので、基本的に指示はしません。 3つの必要十分条件とは、共感的理解、無条件の肯定的配慮、自己一致でした。
※必要十分条件がわからない方は、過去記事のをもう一度見てください。

○症状の原因に焦点を当てない
クライエント中心療法は、精神分析とは違い、過去の話をひきだすことはしません。
自然と、クライエントから過去の話をすることはあるかもしれませんが、カウンセラーが意図的に引き出すわけではありません。

まとめ 精神分析とクライエント中心療法の違い

精神分析とクライエント中心療法の違いは、指示的かどうか、原因(過去)に焦点を当てるかどうか、が大きな違いです。

1.指示的かどうか

2.過去を掘り下げるかどうか

2013年11月 1日 (金)

神経言語プログラミング(NLP)

NLPとは?

NLPとは、神経言語プログラミングの英語の頭文字をとったもので、解決志向アプローチと同じくブリーフセラピーの流れにあるコミュニケーション技法です。心理療法やコーチングとして用いられることがあります。

NLPは、 催眠療法家のミルトン・エリクソン、 家族療法のバージニア・サティア、 ゲシュタルト療法のフレデリック・パールズ の3人の話し方や技法を参考に開発されたものです。

NLPの考え方

不快な感情やネガティブな感情は、出来事に対する反応として脳が情報処理を行った結果として解釈されます。

そのため、NLPでは、自分が何を感じているのかを、感覚器官ごとに分析します。

例えば、誰かに激しく非難されたとします。そしてその時の音は左耳から聞こえたのか右から聞えたのか、音量はどうだったか、その音にはどんなイメージが付随しているか、身体感覚はどのようなものであったか、 のように分析します。

NLPのコミュニケーション技法

○アンカリング

アンカリングとは、記憶や感情が、直接それとは関係ないものと結びついていることです。 例えば、ある音楽を聞くと昔の彼女を思いだして悲しくなる、など。 NLPでは、これを利用して、例えば、ある動作とポジティブな心理状態を結びつけます。 すると、その動作によってポジティブな心理状態を作り出されるという理屈です。

○リフレーミング

リフレーミングとは、フレーム(枠)を付け替える、の意味です。 例えば、「私は失敗してばっかりだ」を「失敗してどんどん成長している」と肯定的に考えることです。 リフレーミングはNLP特有の技法ではなく、様々なブリーフセラピー(短期療法)で用いられます。

○VAKシステム

人の認知を、視覚・聴覚・身体感覚に分け、どの感覚器官を通せば、 相手とのコミュニケーションがとりやすいかを考える技法です。

○アイ・アクセッシング・キュー

accessing cueとは、英語で「近づく手がかり」の意味です。
相手の目の動きによって、相手が考えているだいたいのことを知り、 相手に接近する手がかりとする技法です。


重要キーワード:NLP、神経言語プログラミング、エリクソン、パールズ、サティア

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