カテゴリー「発達心理学」の9件の記事

2013年12月 6日 (金)

社会的参照と視覚的断崖実験

社会的参照とは

社会的参照とは、子供が行動する前に重要な他者の反応をうかがって行動を決定するような現象を言います。

およそ1歳前後から社会的参照が見られると言われています。

 

例えば、子供が転んだ時に、親の「そのくらい大丈夫だよ」という顔を見れば、
安心して行動を続け、
「大丈夫かな?」と心配そうな顔をしていれば泣いたりします。

社会的参照を示した視覚的断崖実験

視覚的断崖の実験とは、知覚心理学者のギブソンらが行った実験で、社会的参照を証明するものでした。

視覚的断崖実験では、赤ちゃんがのる透明な台を用意します。
そして、台の前では、赤ちゃんのお母さんが心配した表情をする場合と、楽しそうな表情を
する場合にわけて、赤ちゃんが透明な台を渡ってお母さんの所までハイハイして行くかを見ました。

社会的参照実験の結果、お母さんが心配そうな顔をしたとき、赤ちゃんは透明な台を渡ってこず、楽しそうな顔をしたときは、透明な台を渡って来ました。

 

視覚的断崖実験でわかったこと

視覚的断崖実験でわかったことは、赤ちゃんが母親の表情を見て、行動を選択したということです。
言い換えれば、空気を読んだ、と言うことになるかもしれません。

社会的断崖実験でこのようなことがわかりましたが、現在でも、赤ちゃんの社会的参照能力を調べるために視覚的断崖を用いることがあります。

日常で見られる社会的参照

視覚的断崖でなくても日常でも社会的参照は見られます。
例えば、赤ちゃんが頭を打った、転んだ、このような場面でも社会的参照が見られます。
赤ちゃんが頭を打ったとき、母親の反応を見て、心配そうなら泣き、笑っていれば、平気な顔で泣かずに
済むかもしれません。
大人の場合、例えば会議で発言したときに、
自分の発言が妥当なものであったのかどうかを、周囲の返答や発言から判断することがあります。
これも社会的参照と考えられます。

このように、周囲の反応を見て行動を決めること、を社会的参照と言います。

発達障害と社会的参照

自閉症児は社会的参照能力の欠如と関連があると言われています。

社会的参照に障害のある自閉症スペクトラムの子供は、
他人の感情を推測してそこから適切な行動をとることが難しくなります。
そのため対人関係に問題が生じます。

社会的参照は共同注視の一形態と考えられますが、
共同注視は定型発達の子供では生後6ヶ月から18ヶ月で見られます。
自閉症スペクトラムの子供は共同注視が欠如する傾向があります。

社会的参照に関する実験で、室内にいる児童に動物の鳴き声のような音を聞かせる実験が行われています。

実験の結果、自閉症児を含めた発達障害児群は、定型発達の児童と比較して、音がなった時に大人を見る回数が少なかったことがわかっています。
つまり、自閉症児は社会的参照をすることが少ないということができます。

また共同注視が見られる子供は比較的言語能力が障害されにくいという研究結果もあります。

 

重要キーワード:社会的参照、奥行き知覚、視覚的断崖、共同注視、ギブソン

ピアジェ認知的発達理論

ピアジェ(Pajet,J)は独自の認知発達理論を提唱しており、発達心理学では非常に有名な人物の一人です。
ピアジェの認知発達理論は基本的知識として押さえて置いておくことをおすすめします。

また、心理系大学院や心理系の学部編入試験の論述問題では、ピアジェの認知発達理論について書かせるものや、ピアジェの発達についての考え方だけでなく、批判点を述べさせる問題なども出るかもしれないので、その点も書いておきます。

またピアジェは専門用語が多いと思いますが、有名な人なので頑張って覚えてください。

Jeanpiaget 

ピアジェの基本哲学(基本的な考え方)

 

○子供の発達は環境との相互作用
  物理的経験(対象そのものから知識を得る)と論理的数学的経験(自分の対象に対する活動から知識を得る)の2つによって発達する。

発達初期(感覚運動期と言います)では物を触って確かめたり、ボールを落としてみたりすることで認知発達が進むと考えられる。

「ボールを落とすと跳ねるんだ」「鍵盤をたたくと音がでるんだ」と自分の行動とその結果のつながりを理解することができます。

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○発生論的認識論
 ピアジェの発達理論は、発生的認識論と呼ばれ、スキーマ=シェム=認知は発生するものである、という考え方。

 発生的認識論を言いかえれば、
認知は段階的に徐々に発達していくものではなく、質的に変化する時期(質的転換点)があるという考え方のことである。

同化と調節の均衡化

子供は同化と調節というものを使い、2つのバランスをとって(均衡化)スキーマ=シェムを取得します。
同化assimmilationとは、既に子供が持っているスキーマ(認知的枠組み)によって対象(物)を解釈すること。

同一化の例としては、既に持っている女の人スキーマを使って、新しく出会った近所のおばさんを認知・・・
→「近所のおばさんは女の人だ」と理解できる。

調節accomodationとは、既に子供が持っているスキーマでは対応できない場合に、スキーマを調節すること

調節の例としては、既に持っている「男の人スキーマ」に、新しく出会ったオネエ系の人が合わない場合、女の人スキーマを変化させる。    

→「女の人にはこんな人もいているんだ」とスキーマ=認知を変える。

ピアジェの発達段階

ピアジェは大きく「感覚運動期」「前操作期」「具体的操作期」「形式的操作期」の4つの発達段階を考えています。

4つの発達段階は質的な変化を想定しています。

○感覚運動期

 ―感覚運動によって環境を理解する時期―
反射スキーマのみが存在し、同化と調節で認知発達していく時期
   ・第一次循環反応・・・自分の体を使った繰り返し
       体をくねくねさせる→認知が発達

   ・第二次循環反応・・・物を取り入れた繰り返し
       ボールをころがす→認知が発達

   ・第三次循環反応・・・因果を楽しむ
       ボールに力を入れたらへこむ→認知が発達(力を入れたら形が変わるんだ)  

対象の永続性を獲得

前操作期

 ―象徴的思考段階&直観的思考段階―
・象徴的思考ができる段階である。
例えばそのため母親がいないところで母親の真似をしたり(延滞模倣という)、友達と一緒にごっこ遊びができるようになれば、象徴的思考ができているということになる。

・前操作期はエゴセントリズム(自己中心性)が強い
エゴセントリズムが強いと、人形も自分と同じように命がある(アニミズム)、雨は人間が降らしている(人工論)、 クローゼットに誰がいると考えれば実際に存在するように思う(実念論)、 という現象が見られる。
逆に言うと、アニミズムや人工論、実念論が見られると、まだ自己中心性が強い、と考えられる。

         エゴセントリック    ⇒   アニミズム、人工論、実念論、が生じる

そのほかに、エゴセントリズムが強いと、「三つ山問題」という課題できない。
※三つ山問題・・・かくれんぼで自分からみえてないから他人からも見えてない、と考える現象を見る問題

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・操作を持たない
前操作期では、名前の通り、操作ができない
※操作というのは、実際に起こっていないことを頭の中で考えるようなこと。 前操作期の子供は操作ができないため ⇒ 保存概念をもてない ※保存概念とは、水の入ったコップがあり、違うコップに水を移し替えても量は変わらない、というような理解のこと。 
しかし保存課題によって出来具合は異なる(水平的ずれ)

・クラスの包摂関係理解不可(ex車という概念の中にバスがある)

・転導推理・・・・例えば、地震が起こったら火事が起こるという因果関係を、火事が起こったら地震が起こるというような間違った推理を行う。
・前概念・・・・完全に概念を理解できず、概念を混同する     ex犬も猫も4足動物なのでワンワンとよぶ

○具体的操作期  ―具体物なら論理的思考が可能―
・可逆的操作が可能
可逆的操作ができるようになれば、コップに入った水を別の大きなコップに入れ替えたとき、水の量は変わっていないことを理解できるようになる。(保存概念の成立)

・概念の階層化⇒クラス化ともいい、概念の包摂関係を理解できるようになる。

例えば、乗り物の下位概念には車や飛行機があり、車の下位概念にはトラックや乗用車がある(トラックは車で
車はトラック、というような誤りはしない)。

・具体的なものについての論理的思考ができるが、仮説演繹的推論はまだ不可能
※仮説演繹的推論とは、もし~ならという仮説をもとに推論していくこと

○形式的操作期  ―仮説演繹的思考が可能―
「もし~なら、~」 というように実際とは異なることを前提として考えることができるようになる(仮説演繹的推論)。
例えば、もし私がもっと身長が高ければ、もっといろんな景色が見れるのに。

ピアジェ認知発達理論の批判点

 

・ゲルマンの批判・・・・就学前でも具体的操作の能力があることを指摘

・水平的デカラージュ・・・・同じ発達段階でも人によって課題ができる場合とできない場合がある。

・垂直的デカラージュ・・・・ゲルマンの主張のように、現在の発達課題は可能なのに、前の発達課題ができない、などの現象のこと。

・質的転換点への批判・・・・例えば、認知発達は問題解決スキルの連続的増大である。という批判

    量的変化  > 質的転換  なんじゃなか?

のようなピアジェの認知発達理論に対する批判点もいくつか覚えておくとよいでしょう。

引用:遊びと発達の心理学 (精神医学選書)

重要キーワード:ピアジェ、認知的発達理論、感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期、自己中心性、アニミズム、同化・調節・均衡化、シェマ・スキーマ

2013年11月29日 (金)

発達の規定要因

子供の発達は遺伝的に決まっているのか、
それとも環境によって後天的に決まるのか、

子供の発達が遺伝要因によるものか環境要因によるものかは大きな心理学のテーマです。

そこで、今回は子供の遺伝論と環境論をご紹介します。


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遺伝論

・成熟レディネス論
ゲゼルは、発達は成熟によるものであるとして、成熟レディネス論を提唱しています。
レディネスは準備性と訳されます。

ゲゼルによると、発達の早期に何かを学習させようとしても、ある程度成長しないと学習は起こらないと考えています。
成熟レディネス論では、遺伝要因が重要だと考えます。

環境論

「環境要因」と言うと、通常は親・家族・学校なども含まれます。
特に親の影響は大きな環境要因です。

・学習理論
学習理論のワトソンは、子供の発達は先天的に決まるのではなく、環境によって決まると考えます。
ワトソンの意味する環境とは、もっぱら「学習」を意味します。

・環境要因が強い特性
親の影響(環境要因)が大きいと思われる特性には、絶対音感があります。
絶対音感は、遺伝の影響をあまり受けず、環境の影響を受ける特性です。
つまりトレーニングが必要。

重要キーワード:成熟レディネス論、学習理論、ゲゼル、発達の規定因

2013年10月 7日 (月)

移行対象

移行対象とは?

移行対象とは、ウィニコットという人物が提唱した概念です。
ウィニコットは、子供が母親からの依存心を徐々に脱却していくプロセスを理論化しました。

移行対象は、その依存心から脱却していくプロセスで登場するものです。

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ウィニコットの発達段階理論

ウィニコットが提唱した発達段階理論は依存心からの脱却という観点が重視されています。

ウィニコットによると、子供は、ほどよい母親によって徐々に成長します。

移行対象に関連して、ウィニコットの発達理論を紹介します。

○絶対的依存期

 

母親に絶対的に依存している段階です。 母親は子供の世話に没頭する時期で、子供は、 自分が泣いたらなんでも手に入るという万能感を子供は抱きます。この幼児的な万能感を錯覚と言います。

○移行期

 

母親からの絶対的な依存期から徐々に、依存を弱めていく段階です。 ここでは依存心を弱めるために、子供は移行対象を利用します。

移行対象とは例えば、毛布やクッションなどです。 母親がいなくても母親の変わりに安心感を与えてくれるような物が移行対象です。

○相対的依存期

 

母親からの依存心が弱まった段階です。

移行現象

移行対象は、依存心を和らげる毛布やハンカチなどの物ですが、物以外にも、子守唄や自分が発する喃語も移行対象の役割をします。
これを移行現象といいます。

重要キーワード:移行対象、ウィニコット、ほどよい母親、グッドイナフマザー、発達理論、錯覚と脱錯覚

2013年4月19日 (金)

インプリンティング=刷り込み

先ほどの記事ではティンバーゲンの生得的触発機構について書きました。
そこで今日は生得的触発機構に関連して、ティンバーゲンと同じ比較行動学の分野で活躍したローレンツのイン
プリンティングについて書きたいと思います。

インプリンティングとは

インプリンティングとは、動物が生得的に持つ行動メカニズムの一つで、はじめに見た相手を母親と思い
込んで後を追う
といった行動のことです。
ローレンツが「ソロモンの指輪」で、ローレンツ自身がハイイロガンの雛がローレンツを母親だと思い込んで、後を
追ってきた、という体験について書いています。
つまりハイイロガンの雛は、生まれてすぐローレンツを見たため、ローレンツは母親なのだという考えが刷り込まれたのです。
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インプリンティングと愛着

インプリンティングという現象は、愛着の研究に新たな視点を与えた研究だといえます。
つまり、人間の赤ちゃんが母親の後を追ったりするのは、生得的な行動メカニズムであり、ハイイロガンが母親とみなしたものを追う
のと一緒なのではないか、という考え方ができるかもしれない、ということです。

そのためこのインプリンティングの理論は、心理学、特に愛着研究に大きな影響を与えた研究といえるでしょう。

2013年2月 6日 (水)

母性剥奪:マターナルディプリベイション

小さいころから母親と離ればなれになる、母親からの情緒的な世話が十分に受けられない・・・ そのことが愛着の形成を難しくしたり、知的遅れ、非行などに影響することがあるといわれており、心理学ではよく取り上げられています。心理系大学院や心理系の大学編入をする場合には、基本的知識としてある程度しっておく必要はあると思います。

○母性剥奪とは

moternal deprivationの訳で、小さい頃に母親から分離させられるような体験のことです。

○母性剥奪の影響

ボウルビーの研究

愛着を研究していたことで有名なボウルビーは、非行少年を研究していました。
ボウルビーの非行少年を対象にした研究でわかったことは、
対象の非行少年の多くに、母親との分離体験があったこと、
母親との分離体験をしているものの多くに、感情的な問題や知能の遅れ、などが見られたこと、である。

 

スピッツの研究

同じく愛着研究で有名なスピッツは、施設に収容された子供たちを研究して、
ホスピタリズムを報告しています。
ホスピタリズムとは、施設に収容された子供たちが示した症状です。
施設に収容された子供たちは、食事や生活面での世話を受けているにも関わらず、成長の遅れなど、様々な症状を呈しました。
ホスピタリズムがしょうじた理由は、少ない世話がかりに対して子供たちが多く、情緒的な世話が足りていなかったためだと考えられます。

 

2013年1月29日 (火)

心の理論と発達障害

心の理論

○心の理論とは

他者の心の状態についての仮説のこと。誰でも「他人は今こう考えているんだろうな」という仮説を持っていますが、これを心の理論といいます。 心の理論は、発達障害を理解する際に重要なキーワードになります。自閉症などの発達障害では、心の理論が障害されている、といわれています。つまり他人の立ち場に立って考えることができないということです。

○心の理論はどう獲得されていくか

一次的信念の理解 4歳ごろから

「Aさん(アンさん)は誤ってある物が無い場所にある、と信じている」ということの理解。これだけではわからないと思うのでサリーとアン課題というものを紹介します。 サリーとアン課題とは、一時的信念の理解ができるかどうかを調べるための課題です。 サリーはチョコレートを箱Aにおいて出かけます。⇒そしてアンは、サリーがいない間にチョコレートを箱Bに隠します。⇒さてサリーが帰ってきたときどこを探すでしょう。 という問題が出されます。 当然ふつうは、箱Aを探すと答えます。正解できれば一時的信念が理解できているとみなされるわけですが、発達障害の傾向としては、この課題を解くことに困難を示します。 つまりサリーの立場に立てず、自分の立場で考える(Bにあることを自分は知っているのでサリーも知っていると考える)わけです。

二次的信念の理解 10歳位~

「Aさんは物が間違った場所にあると、Cさんが誤って思い込んでいる」という理解。ジョンとメアリーが二次的信念の理解を知らべる課題として出されることがあります。 ジョンとメアリーの課題 メアリーがアイスの金を取りに帰る、アイス屋が教会に行くことをジョンは知る。メアリーもアイス屋に協会に行くことを知る。ジョンはメアリーの家に行き出かけていたので探しにいく。ジョンはどこに探しに行ったでしょうか? という問題が出されて、正解すれば二次的信念が理解できているということになります。 二次的信念の理解の意味・・・二次的信念の理解は他者から見た自分を知る、ということであり⇒自意識につながるのではないかと考えられます。

○心の理論の習得説

生得説・シミュレーション説・経験説など

○共同注意(三項関係理解の証拠)から心の理論へ

共同注意=ジョイントアテンションとは、母親の視線を追って母親の見ているものに注意を一緒に向ける、というような現象です。 ・共同注意=ジョイントアテンションは、母親に共感してほしいという欲求の表れで、同じものを見ることで他者とつながりたい、という欲求が生まれてきたり、逆につながりたい欲求から共同注意をするようになるといわれています。 母親の視線を追いかけて一緒に同じものに注意を向け(共同注意)、母親は何に関心をもっているのだろうと考えるようになれば、「自分と母親が違うものに関心を持っているんだ」、と考えるようになり次第に「この人はこんなことを考えているんだ」という心の理論の獲得につながっていきます。 子供は初め、「自分ともの」、「自分と母親」というような関係(二項関係)しか理解できません。それが成長するにつれて、「自分と母親と物」、というような三項関係を理解できるようになります。

2013年1月21日 (月)

愛着(ホスピタリズム)

ホスピタリズムとは?

ホスピタリズムとは、スピッツが報告した症例に単を発する愛着に関する症候群です。 スピッツは、施設に収容された子供がご飯などの物理的世話が行われているにも関わらず、 子供の死亡率が高いことや精神的な発達が妨げられることを見いだした。 これは、看護の人数の不足が影響していると考えられ、情緒的な世話の重要性を明らかにした研究であった。

従来の行動理論との不一致

この症例は、従来からの、愛着が条件付けによるものとする行動理論に反するものであった。 行動理論では、愛着の形成が条件付けによるもので、ミルクをあげたりと快つまり強化子をもたらす母親に対して愛着を抱くと考えられら。ホスピタリズムはこの行動理論では、説明がつかない現象だったわけである。

2012年12月26日 (水)

アタッチメント(愛着)とは?

アタッチメントとは?

アタッチメントとは、特定の対象に対していだく情緒的な結び付きのこと。アタッチメントは発達心理学の大きな研究テーマの一つである。

アタッチメントの研究


アタッチメント研究で有名な実験として、ハーロウによる赤毛ザルの実験を紹介します。
ハーロウは赤毛ザルの子供を用いて、ミルクがでるが針金製の猿と、ミルクのでない布製の猿のどちらの猿と長い時間を過ごすかを研究した。その結果、赤毛ザルの子供は、ミルクの出る針金製のサルよりもミルクの出ないサルにくっついて時間を過ごした。

ハーロウの赤毛ザルの実験でわかったことは、アタッチメントがミルクという報酬によって形成されるのでなく、接触の心地よさがアタッチメントを形成するということである。ハーロウはこれを接触の快と呼んでいる。

ハーロウの赤毛ザルの実験はこれまでの条件付けでアタッチメントが形成されるという従来の仮説を覆す画期的な実験と言われている。

アタッチメントに関するその他の理論や実験は次に紹介します。

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