カテゴリー「学習心理学・認知行動療法」の10件の記事

2014年12月10日 (水)

SST(ソーシャルスキルトレーニング)

ソーシャルスキルトレーニングとは?

SSTとは、社会生活をしていく上で必要な技術を学ぶ訓練のことです。

子どもに注意・アドバイスしても変化がない場合、「注意する・アドバイスするという方法が不適切である」と考えます。

もし、変化がないにも関わらず注意を執拗に行えば、自信をなくす、注意を聞き流すようになる、などの逆効果も出てきます。

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SSTの方法

1,大きな目標とそれまでの小さな目標を設定

2,目標を達成すれば褒めるor達成したことを気づかせる

またSSTではできないことを注意するよりもできたことを褒めることによって、モチベーションを高めます。

SSTでは、シールを与える方法やロールプレイを行う方法も用いられます。

SSTの対象

SSTは発達障害のお子さんを対象に行われるケースが多いです。

なぜなら発達障害の特徴として、他者の観察だけで社会スキルを身につけることが困難であったり、注意やアドバイスをしても理解できずに社会生活で障害を来している場合があるからです。

SSTの目標

SSTの目標は子どもによってさまざまですが以下のような目標が考えられます。

・「ありがとう」「ごめんなさい」と言えるようになる

・嫌なことがあっても暴力を振るわない

・おもちゃを譲れるようになる

・うまくいかなくてもイライラして物に当たらない

・要求するときに、欲しい物の名前だけでなく文章で言えるようになる

重要キーワード:SST、ソーシャルスキルトレーニング、社会スキル、ロールプレイ

2013年9月17日 (火)

シェイピング

シェイピングとは?

シェイピングとは、スキナーのオペラント条件付けに基づく行動療法です。
オペラント条件付けは、例えば、増やしたい行動に対して報酬を与えることによってその行動を増やしたり、逆に、減らしたり行動に罰を与えたり報酬を与えないようにすることによって行動を減らしたりする方法です。
行動を増やすことは、強化といい、報酬のことを強化子といいます。

ではシェイピングとは、どのようなものでしょうか。
簡単に言えば、シェイピングというのは、徐々に行動を強化していく方法です。
いきなり目的となる強化したい行動があらわれないような場合に、近い行動から強化していきます。

即時フィードバックの原理

即時フィードバックの原理とは、シェイピングの基本原則の一つです。
強化したい行動が見られたときには、即時に褒めたり物を与えたりして報酬を与えることによって行動を強化します。

スモールステップの原理

スモールステップの原理とは、徐々に目的行動に近づけるという意味です。

Smallstep2







シェイピング例1

緘黙であまりしゃべらない子供の場合、しゃべらないのでいきなりしゃべるという目的行動を強化できません。
そこで、唇を動かすなどの行動から即時フィードバックで強化していきます。

シェイピング例2

他の例をあげます。食べ物をテーブルに散らかして行儀よく食事ができない子供を想像してみてください。
親は子どもが散らかさずに食事をすることを望んでいます。しかしその子供は行儀よく座っていることすら難しい状況です。

そんなときには、シェイピングをつかって徐々に「散らかさずに食事をするという目的行動」を強化します。

つまり、まず行儀よく座るという行動から即時フィードバックで強化(つまり行動があらわれた直後に強化)していくのです。
そしてだんだん行儀よく座れるようになってくれば、目的行動を強化していきます。

重要キーワード:シェイピング、即時フィードバックの原理、スモールステップの原理、オペラント条件付け、行動療法、強化子

2013年9月14日 (土)

論理療法

論理療法とは

論理療法とは、アルバート・エリスによって提唱された心理療法です。 エリスの論理療法は広い意味での認知療法に含まれます。

論理療法は、論理情動行動療法とも呼ばれ、頭文字からREBTとも呼ばれます。

論理療法のABC理論

論理療法では、出来事が直接不安や抑うつを引き起こするわけではなく、認知を介して引き起こされます。 論理療法で扱う認知は、不合理な認知と呼ばれます。

Abctheory2

うつ病などを患う患者には不合理な認知が共通して存在すると考えます。

不合理な認知とは、「絶対明日までに提出しなければならない」「私はいつも完璧でなければならない」というような認知です。

そこで不合理な認知を反駁(論破)することによって、不安や抑うつを減少させようとします。 これを定式化したのがABC理論です。

A:先行する出来事 B:不合理な認知(信念) C:結果(不安・抑うつ)

または A:先行する出来事 B:不合理な認知(信念) C:結果(不安・抑うつ) D:反駁 E:効果的な認知 そのため、ABCDE理論とも呼ばれます。

重要キーワード:論理療法、論理情動行動療法、REBT、エリス、不合理な信念、イラショナルビリーフ、ABC理論

2013年5月 9日 (木)

認知的評価理論

認知的評価理論とは

認知的評価理論とは、「認知的評価が感情の生起に先行する」という理論の総称である。
・・・・ということは逆に「感情が生じてから怖いと感じる」というような立場もあるということですね。
ザイアンスが代表的な立場ですが、ここでは認知的評価理論と逆の立場の説明は控えます。 。

具体的には、認知的評価理論とはどういうことでしょうか。
例えば、地震が起こったときに、すべての人が恐怖を抱くわけではありません。

ある人は大した揺れじゃない、と考え
ある人は家が崩れて人が死ぬかも知れない
、と考えます。
つまり、地震が起きてすぐに恐怖が生じるのではなく、地震をどのように認知的に評価するかによって
恐怖が生じるか生じないのか、またはどのような感情が生じるかが変わるという考えです。

まとめれば認知的評価が感情の生起に先行するという考えです。

認知的評価理論の先駆的研究者はアーノルドで、その後ラザルスは認知的評価(個別的評価と中心関係テーマ)を2つに分けています。個別的評価はさらに一次的評価と二次的評価に分けられます。

ラザルスの認知的評価理論

ラザルスは認知的評価理論はよく知られています。 認知的評価理論はさらに個別的評価と中心的関係テーマという2つの評価にわけることができます。
さらに個別的評価は一次的評価と二次的評価に分けられている。

一次的評価・・事象(ストレスイベント)が有意味かどうか。有意味ならば有害かどうか、という評価。
二次的評価・・一次的評価の後、その事象に対処できるかどうか、という評価。

例えば、
遅刻しそうなときに話しかけられる⇒自分にとってマイナスだ(一次的評価)

先輩なので話を無視してその場をされない⇒うまくやりすごせない(二次的評価)

ストレスは、自分にとって脅威的で対処もできないと評価されたときに、感じるわけです。

ラザルスの認知的評価理論では、特定の認知的評価で特定の感情が生起する
と考えることが特徴の1つである。

ステップアップ-認知的評価詳細

ここでは個別的要素が複数重なっているが、この結びつきを中心関係テーマという。
中心関係テーマとは、「特定の感情それぞれの根底にあるもので、中心的関係テーマがどのようなものかによって異なったの感情が生起する」
例えば、

怒りの中心的関係テーマは「私と私のものを貶める攻撃」

悲しみの中心的関係テーマは「取り返しのつかない喪失」  である。

また認知的評価は人によって傾向があり、認知的スタイルといわれる。
例えば、認知的スタイルの中でも原因帰属スタイルは動機付けなどの分野で研究されている認知的スタイル
である。
(ex成功したのは私の努力と帰属⇒やる気がでる)

2013年3月10日 (日)

試行錯誤学習

ソーンダイクの試行錯誤学習とは

試行錯誤学習trial and error learningとは、オペラント条件付けの元になった考え方で、ソーンダイクが発表したものです。

ソーンダイクは猫の問題箱と呼ばれる実験道具を用いた心理学実験を行いました。

猫の問題箱の実験は、猫を箱に入れてどのように脱出するかを研究したもので、ソーンダイクは実験に基づいて、「動物の学習は、状況刺激Sと反応Rの連合である」と考えました。この結びつきはS-R連合と呼ばれています。 実験では、問題箱にいる状況がSで、ネコの問題解決のための行動がRです。

 

ネコの問題箱実験の手続き

空腹のネコを問題箱に入れ、箱の外にエサを置く

⇒ネコが錠をあけて箱から脱出する時間を測定

⇒試行錯誤で成功を繰り返すうちに、脱出とは関係のない意味のない行動が減少して脱出までの時間が短くなる。

 

効果の法則

試行錯誤学習は、ある行動をして、好ましい結果が得られたのなら、その行動は強められ(快の法則)、逆に、好ましくない結果になったのなら、その行動は弱められる(不快の法則)というものです。この一連の法則を「効果の法則 law of effect」と呼びます。

 

試行錯誤学習への批判

ゲシュタルト心理学のケーラーが発表した洞察学習・・・学習には試行錯誤ではなく一気に問題解決法をひらめく洞察学習がある。

ケーラーの行った洞察学習の心理学実験があります。

Photo_8

その心理学実験では、チンパンジーを、部屋に入れて、そこにバナナをつるしておき、チンパンジーが乗るための台をいくつか用意しておきます。するとチンパンジーは、試行錯誤で台を一つずつ乗せていくのではなく、一気に見通しを立てて、バナナに届くだけの台を重ねてからバナナを取ったのです。

つまりソーンダイクの試行錯誤のように一個の台で届かなければもう一個追加して手を伸ばしてみる、というように学習は行われるのではない、ということです(この実験においては)。

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2013年1月22日 (火)

三項随伴性

三項随伴性とは


三項随伴性とは、行動療法において問題行動や症状をアセスメントする際に用いられる考え方です。
三項とは、先行条件、行動、結果、の3つで、これらが随伴することを三項随伴性といいます。
柔らかく言うと、問題行動は何で、問題行動がどういうときに生じるか、問題行動をした結果どうなるかを分析することです。

三項随伴性を用いたアセスメントの例


問題行動がギャンブルの場合を例にあげます。
1、先行条件
まず、ギャンブルをするときは、どういうときにするのかを質問していき、仕事で失敗したときにギャンブル(問題行動)をするのか、上司に叱られたときにギャンブルをするのかを明らかにします。

2、行動
先行条件の時、何をするか、ということです。ここでの行動はギャンブルになります。

3、結果
先行条件のときにギャンブルを行った後、どういう結果になるかを分析します。
例えば、ギャンブルをすれば、スッキリする、お金がてにはいる、などが結果となり得ます。
この結果は、強化子と考えられます。つまり、問題行動=ギャンブルが維持されるのは、この強化子があるからだと分析されます。

三項随伴性によるアセスメントで何がわかる?


三項随伴性によるアセスメントでは、ギャンブルがなぜ維持されるかがわかります。
そして、強化子が明らかになれば、同じような強化子が得られるような他の行動を代替行動として獲得させる、というような介入が見えてきます。

2012年12月26日 (水)

エクスポージャー法

エクスポージャー法とは、行動療法の代表的な技法の一つで、不安や恐怖を持つ患者に適用される。
方法1・・・まず患者と話し合って不安や恐怖に感じる状況を書き出す
方法2・・・書き出したらその不安や恐怖に感じる程度を%で評価してもらい、程度順に並べかえる
方法3・・・不安や恐怖の低い状況から、暴露(直面してもらう)する。不安が低くなれば、不安の高い状況に暴露してもう。

具体的には、例えば、ネズミを恐怖に感じる子供に、ネズミと同じ部屋にいてもらう→恐怖が下がれば→ネズミに触る、のようなより怖い状況、に暴露する。

利点は、エクスポージャー法が、さまざま不安障害に対する効果が実証されていることで、認知行動療法CBTで広く用いらている。
欠点は、治療への動機付けが低いことがある。というのは嫌なものや事柄に直面しなければならないからやりたくなくなるというのが理由。

ホームワークとして自宅で実施・・・エクスポージャー法は、セラピー室だけでなく、ホームワークとして課せられる場合が多い。
エクスポージャー法の理論・・・不安や恐怖が持続されるのは、不安や恐怖に感じる状況を回避しているから、なかなか慣れない、というメカニズムを前提にしている。そのため、不安や恐怖に感じる状況を回避せずに十分に慣れるまで暴露すれば不安や恐怖が無くなってくる、というのがエクスポージャー法のメカニズムとなる。

2012年12月23日 (日)

恐怖条件付け

行動療法のもとになったパブロフの条件付けを紹介しましたが、今回も行動療法に寄与した実験を紹介します。
行動主義の代表であるワトソンは、アルバート坊やある有名な実験を行いました。
では、ワトソンの実験について紹介します。

○アルバート坊やの恐怖条件付け
ワトソンはアルバート坊やに白いネズミを見せると同時に大きな音を鳴らしました。対提示ですね。
するとアルバート坊やは白いネズミを怖いとも思っていなかったのにも関わらず、音と白いネズミがくっついて、白いネズミを見ただけで驚愕反応が起こりました。恐怖の条件付けが成立したわけですね。

○条件付けの消去
これだけでは赤ちゃんに恐怖を植え付けただけですから、次にワトソンはこの条件付けを消去しました。
条件付けの消去はどう行われたのでしょうか?消去の手続きは簡単です。
条件刺激のみを提示し続けるだけです。アルバート坊やの実験の場合、白ネズミが条件刺激なので、音を対提示せず、白いネズミだけ提示したわけですね。これがレスポンデント条件付けにおける消去です。

ワトソンの考えでは、恐怖や不安は条件付けによるもので、消去できるもの、なわけです。

余談ですが、ワトソンは自分だったら自分の子供を弁護士でも医者でも何にでも育ててみせると豪語した、といのは有名な話です。

2012年12月22日 (土)

パブロフの条件付け

パブロフの条件付けはみなさん聞いたことくらいはあるかもしれません。
しかしパブロフの条件付けは行動療法の基本になる考えなので、しっかり押さえておいてください。

パブロフの条件付けの概要
簡単に言うと、エサを与えずとも、ベルを鳴らすだけで唾液が出るというものです。

元々パブロフは、生理学者で犬を用いた消化器系の実験をしてたところ、実験者がエサを持ってくる音だけで唾液がでることを発見しました。この現象がパブロフの条件付けです。

後に言われる条件付け(オペラント条件付け)と対比して、レスポンデント条件付けと言われます。

パブロフの条件付けに戻ります。
条件付けの手続きと用語を、パブロフの犬の例で説明します。
まず、エサが無条件刺激(無条件で唾液をもたらす刺激)と言います。エサを見て唾液がでるのは無条件反応と言われます。ベルとエサを同時に犬に見せることを対提示といい、対提示すると、ベルの音がエサの代わりを果たしてベルだけで唾液がでるようになります。

2012年12月21日 (金)

ベックの認知療法

アーロンベックという人によって提唱された心理療法です。ベックの認知療法のモデルは現在もよく用いられています。

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アーロンベックはある状況になると気分が悪くなる、というSR理論を発展させました。
つまりある状況になると、ある認知を通して、気分が悪くなる、と考えたのです。
状況が直接に気分を引き起こすのでなく認知が媒介してると考えたのですね。

だから抑うつ気分は認知の歪みが原因だから、その歪んだ認知を変えれば反応も変わるんだ、とベックは考えたのです。
やり方は、歪んだ認知を自覚できるように記録をつけることでセルフモニタリングをしてもらったり、客観的な認知ができるような質問をしたりします。

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