カテゴリー「社会心理学」の4件の記事

2014年10月26日 (日)

第一印象の形成

印象形成

人は他者に対して印象を形成しようとします。

「この人はこんな人かな?」「こういう性格だろうな」というように第一印象を形成します。

ケリーの印象形成実験

大学生に授業を受けさせ、講師の印象を尋ねた。
生徒は、「温かい人物であることが書かれた紹介文」と「冷たい人物だと書かれた紹介文」
を見てもらう生徒の2群に分けられる。

すると、同じ授業をうけたのに、
紹介文に影響され、悪い印象になったり良い印象になったりした。

つまり期待や先入観が影響したのです。

第一印象に合う情報を集めようとする

ケリーの印象形成のお話に関することですが、

社会心理学の領域には確証バイアスという言葉があります。

確証バイアスとは自分の仮説に合った情報だけを収集(注目)してしまう傾向です。

ケリーの印象形成の実験では、紹介文によってその先生の印象(仮説)を形成します。

例えば冷たいといった印象(仮説)を形成したとすれば、冷たい部分に注目してしまい、そのほかの特徴は軽視されてしまいます。

これが確証バイアスです。

重要キーワード:第一印象、ケリー、社会心理学、先入観、確証バイアス

2014年3月 3日 (月)

ヤマアラシのジレンマ

ヤマアラシのジレンマ

ヤマアラシのジレンマはショーペンハウワーの寓話からきている。

ヤマアラシは寒い冬に身を寄せ合うことで温かさとを得られると同時に、
互いに近づくことによって「ハリ」がお互いにあたるその痛みとの間で、「近づきすぎず、離れすぎずちょうどいい距離」を見つけたというショーペンハウワーの寓話である。

ヤマアラシのジレンマは「近づきたいけど近づけない葛藤」や他者との適度な心理的距離を説明する概念として使われる。Photo

青年期は適切な距離の取り方を模索する時期でもあり、ヤマアラシのジレンマが
青年期の他者との距離の取り方を表す概念としてヤマアラシのジレンマが用いられることがある。

重要キーワード:ジレンマ、葛藤、ヤマアラシのジレンマ、距離

2014年2月21日 (金)

囚人のジレンマ

囚人のジレンマとは?

囚人のジレンマとは、社会心理学の領域で研究される「社会的ジレンマ」と呼ばれるものの一つです。

社会的ジレンマとは?

社会的ジレンマとは、囚人全員が協力すれば最大の利益がもたらされるにもかかわらず、みんなを裏切ればその裏切った個人が利益を得られるような葛藤状況のことです。

要するに集団の利益をとるか、個人の利益をとるかという葛藤状況です。

しかしながら、集団全員が自分本位の行動をとってしまうと、全員で協力した場合よりも利益が少なくなってしまう結果になります。

Photo

囚人のジレンマの例

囚人のジレンマは以下のようなものです。

1、囚人二人が犯行を黙秘すれば二人とも懲役2年で済む

2、囚人一人が自白してもう一人が黙秘すれば、自白した囚人は懲役1年、黙秘した囚人は20年となる。

3、囚人のどちらもが自白すれば懲役5年となる。

二人が協力すれば全体で見れば一番懲役が少なくて済むのに、個人の利益を優先してしまうのが囚人のジレンマの特徴です。

ギャングの構成員が二人捕まったとき、「先に自白したほうが罪が軽くなるよ」、と言えば、二人とも自白してしまって結局罪が軽くならないような例は囚人のジレンマと言えるでしょう。

重要キーワード:囚人のジレンマ、社会心理学、ゲーム理論、社会的ジレンマ

2013年8月23日 (金)

葛藤理論(コンフリクト)

あれもやりたいけど、これもやりたい、

あれはいやだけど、これも嫌、

あれはやりたいけど、これは嫌、

このような状態が葛藤状態です。葛藤とは英語でコンフリクトと言います。
一言でいえば、二つ以上の欲求が同時に起きて選択を迫られてた際の緊張状態のことです。

葛藤(コンフリクト)に関することを理論化したものの総称を葛藤理論といいます。
葛藤理論の有名な理論化にはレヴィンがいます。
レヴィンは、集団力学の研究や葛藤を理論化したことで有名です。

葛藤の種類

葛藤理論で有名なレヴィンが示した葛藤には、様々な種類があります。
1、接近-接近の葛藤
「これもやりたいけど、これもやりたい」というような場合は接近-接近の葛藤
「これも欲しいけど、これも欲しい」という場合も接近-接近の葛藤です。

つまり、同じくらいの魅力のある選択肢をひとつ選ばなければならなくて緊張状態陥る場合に
接近-接近の葛藤と言います。

        例えば、「あの心理学の本も欲しいけど、あっちの心理学の本も欲しい」
               「あの男性も素敵だけど、あっちの男性も素敵」

2、接近-回避の葛藤
「あれをしたいけど、こうはなりたくない」
「あれが欲しいけど、お金がなくなる」

つまり、やりたいことがあるけど、それを選択すると嫌なことが起こるので緊張状態に陥る場合に、
接近-回避の葛藤と言います。

                        例えば、「服が欲しいけど、お金がなくなってしまう」
                                 「遊びたいけど、学校の成績が悪くなる」

3、回避-回避の葛藤
「これをやりたくないけど、こうなるのは嫌だ」
「こうなるのも嫌だけど、こうなるのも嫌だ」

つまり、やりたくないことをしなければ、嫌なことが起こので緊張状態に陥る場合に、
回避-回避の葛藤と言います。

                     例えば、「勉強はしたくないけど、成績が悪くなるは嫌だ」
            「仲間外れになりたくないけど、声をかけて嫌がられるのは嫌だ」
 

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